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Multi Drummerのひろいです。
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ヘッドの交換時期といのは、ドラマーそれぞれで考え方が違います。
新品が良いという人もいれば、使い古したものが良いという人もいます。
その辺りの話は以前記事にしましたので、合わせて読んでみてください。
ドラムヘッドの交換時期はいつ?ベストな交換タイミングとは!?
今回の話はヘッドがシェルに馴染むことについてですが、チューニングにをする際にこの要素はとても重要です。
同じヘッドを長く張っている場合でしたら、ヘッドがシェルによく馴染んでいます。
もちろん、しっかりとヘッドが張れていたりチューニングが出来ているということが大前提となりますが、それだけ長い期間ヘッドとシェルが密着した状態になるのでヘッドもそのシェルに合った形状になってきます。
特にボトムヘッドなんかは薄いので、シェルのエッジの形状に合ったものになってきます。
新品との馴染みは?
先程の解説では同じヘッドを長く張っていて使い古したものを使用している場合の話でしたが、新品のヘッドの音が好きという人もたくさんいます。
勘違いしてほしくないのは、新品だから良いという一般的な消耗品への概念は捨ててください。
ドラムヘッドの場合、新品には新品の良さが使い古したものには使い古したものの良さがあります。
どちらが良い悪いではありません。
どちらの良さを取るかは、完全に個人の好みです。
少し話が逸れましたが、新品の場合のヘッドとシェルの馴染みについての話に戻ります。
もちろん、新品の場合はヘッドとシェルが馴染んでいません。
新品らいしいみずみずしいヘッドの音はしますが、馴染んでいないためにチューニングが安定しにくいです。
シェルとヘッドの馴染みとは別に、ヘッド自体もストレッチされていないので叩いているうちにヘッドが伸びてピッチが狂ってきます。
新品のヘッドとシェルの馴染みを良くするには
上の項目で新品のシェルはヘッドに馴染んでいないということを言いました。
加えて、ヘッドもストレッチされていない状態なので、叩いているうちにヘッドが伸びてピッチも安定しないということを書きました。
そこで新品でもヘッドのストレッチや馴染みを良くするために、ヘッドを伸ばしあげます。
色々と方法はありますが、新品のヘッドを張っていく時に一旦かなりハイピッチにカンカンに張ります。
そうすることでヘッドのストレッチになりますし、シェルと馴染みやすくなります。
ヘッドを張っていく際は、各テンションボルトを均等に少しずつ張っていきましょう。
いきなり1つのボルトだけ締め上げてしまうと、ヘッドの歪みやその他のパーツの歪みに繋がりますので気をつけてください。
ボルトを回す順番など人それぞれ手順の違いはありますが、1つのテンションボルトを回す時は最大でも90度くらいにとどめておく方が良いと思います。
カンカンにヘッドを張ったらしばらくそのままの状態にしてヘッドを伸ばしてあげるのですが、これもどれくらい時間をおくかは人それぞれで、5分くらいの人もいますし一晩そのままの状態にしておく人もいます。
これも人それぞれですので、色々と試して自分に合った時間を見つけると良いですね。
そして、別の方法としてヘッドを張る際にヘッドを手で押して伸ばすという方法もあります。
手で押すというのは、心臓マッサージをするように両手でヘッドをグイグイと伸ばす感じです。
ヘッドの中心に片手を置いて、そこにさらにもう片方の手を乗せて本当の心臓マッサージをするようにヘッドを伸ばす人もいれば、なるべく押さえる面積を大きくするために中心に対して両手で前後左右に手を当てる人もいます。
手で押すタイミングも人それぞれで、完全にテンションボルトを緩めている状態からいくらかテンションボルトを締めたら手で押す→またいくらか張ったら手で押すというようにこまめにストレッチをする人もいます。
ある程度自分の好みのテンションになってから手で押して馴染ませていく人もいます。
この辺りのタイミングも何が正解ということはないので、自分で色々と試してみてしっくりくる方法を取れば良いです。
今紹介した2つの方法のどちらをとってくれても良いですし、両方やってくれても大丈夫です。
どちらの方法もとらないという選択肢もありです。
僕は、時間がある時は両方の方法をとりますし、時間がなければ手で押す方法だけでヘッドのストレッチと馴染ませるということをしていきます。
ヘッドが一番馴染むのは叩くこと
先程の項目で、ヘッドのストレッチや馴染ませ方について解説しました。
どちらも方法の1つで、これらをやらないというのもありですし、やったからといって完璧にシェルとヘッドが馴染むわけではありません。
では、ヘッドとシェルを馴染ませる上で何を一番やらなければならないかというと、その張ったヘッドを実際にスティックで叩くということです。
つまり、単純にドラムを叩くということです。
そして、ピッチがずれたらテンションボルトを締め直しチューニングを整えるということです。
いくらチューニングの時にヘッドを手で押したり一旦ハイピッチにしてヘッドのストレッチをしても、新品のヘッドでは叩いているうちにチューニングが狂ってきます。
これが本来ドラムにかかる衝撃ですので、このスティックで直接衝撃を受けることによるヘッドの伸びを修正しながらチューニングを整えていきます。
同じ新品のヘッドでも、1打も叩かずにチューニングしたものと1時間叩いたものでは、ヘッドとシェルの馴染みやチューニングが狂う度合いは全然違ってきます。
もちろん、叩く時間が長かったりそのヘッドを使っている期間が長ければそれだけ叩く回数も多いので、ヘッドとシェルの馴染みが増してよりチューニングが狂いにくくなりますし、ヘッドとシェルが馴染んだ安定した音になります。
僕のようにヘッドとシェルが馴染んだ使い古したヘッドが好きな人はよりその馴染みを重視していますし、新しいヘッドが好きな人は新品のみずみずしさを重視していることが多いです。
しかし、新品のヘッドでもある程度ヘッドとシェルが馴染んでいた方が良いです。
どこまでを新品と捉えるかは人それぞれですが、新しくヘッドを張り替えて1ヶ月くらいならば全然新品のみずみずしさは残っています。
もちろん、ドラムを叩く頻度も人それぞれですので、1ヶ月に1回しかドラムを叩かないのであれば、もっと何ヶ月も新品の状態ですしね。
ですので、新品という概念を新しく張った瞬間だけでなく、もう少し長く捉えた方が良いですね。
そうすることによって、新品のヘッドにもシェルと馴染ませるという期間がある程度生まれます。
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ライブやレコーディングを控えているけど新品のヘッドを使いたい
新品のヘッドの音が好きな人は、ライブやレコーディングの前に新しいヘッドへ交換する人も多いでしょう。
しかし、この記事を読んでくれた人ならば、ヘッドとシェルの馴染みの重要性についても学んでくれたかと思います。
そこで悩むのが、いつヘッドを張ったら良いんだ?ということです。
明確なタイミングというのはありませんが、この項目では新品のヘッドをライブやレコーディングで使いたい人がどのタイミングヘッドを交換したら良いか?のアドバイスをしたいと思います。
人によって叩く頻度というのは違いますので日数でアドバイスすることは難しいですが、例えばライブやレコーディング本番までに2〜3時間の個人練習やバンドでのリハーサルに数回入るとします。
そういった場合でしたら、最低でもその個人練習やリハーサルの3回前までにはヘッドの張替えをしておいた方が良いかと思います。
本番までの1週間前から合計3回スタジオに入るのでしたら1週間前で良いですし、1ヶ月前から合計3回入るのでしたら1ヶ月前ということになりますので、人それぞれタイミングは変わってきます。
最初の1〜2回の練習では新品のヘッドですので、しっかりとチューニングしても練習を終える頃にはピッチは確実に狂っています。
ですので、練習の最中や練習が終わった後は再度チューニングを整えてください。
3回目くらいになればだいぶヘッドも馴染んでいるため、ピッチは狂いにくくなってきているので再度微調整をして本番を迎えてください。
もちろん、本番当日もしっかりとチューニングの確認をしてくださいね。
ヘッドとシェルの馴染みを考えると本当はもっと長い期間使った方が良いのですが、新品のみずみずしさをなるべく保ちつつある程度シェルとも馴染ませるとなると、上記の内容を目安にすると良いかと思います。
ヘッドを張る際の注意点
ヘッドを張る時に気をつけなければならないことというのはいくつかありますが、この項目ではヘッドのストレッチをする際の注意点をいくつか紹介したいと思います。
前の項目で新しいヘッドを張る際のストレッチをする時に、ヘッドを一旦カンカンにハイピッチに張るという方法と、手で押してストレッチするという方法を紹介しました。
このどちらも逆にヘッドを痛めてしまうことに繋がらないように気をつけてください。
まずヘッドを一旦カンカンに張るという方法ですが、先程も説明しましたがボルトはなるべく均等に張っていってください。
いきなり1つのボルトだけを極端に締めて次のボルトを締めるというのではなく、少しずつ均等に締めていく感じです。
1回に締める度合いも人それぞれですが、テンションボルトを締める時は1回で最大90度くらいにしておいた方が、各パーツへの負荷を減らせます。
トップヘッドに関してはある程度厚みがあるのでかなりハイピッチにしても大丈夫ですが、特にスネアのボトムヘッドに関しては薄いのであまり強烈に締めない方が良いです。
あまりハイピッチにしすぎるとヘッドが破れてしまうことがあります。
スネアをいじっていく上で誰でも経験することなのであまりびくビクビクすることはありませんが、念のためにスネアのボトムヘッドに関しては常に予備を自宅などにストックしておいた方が良いです。
張りすぎて新品のヘッドを破ってしまったという経験は、今後「どのくらいまで張って良いのか?」の判断材料になるので、破ってしまったら破ってしまったで勉強させてもらったと思えば良いです。
続いて、ヘッドを手で押してストレッチする場合ですが、この場合は拳や膝など骨の出っ張りがある部分はなるべく使わない方が良いです。
理由としては、その骨の跡がヘッドについてしまうことがあるからです。
なるべく手のひら全体の広い面積で押すようにし、もし膝を使いたい場合はタオルを敷くなどして工夫しましょう。
また、押す力もトップ側でしたらある程度ヘッドが厚いので力を込めて押しても大丈夫ですが、スネアのボトムヘッドの場合は薄いのでかなり軽く押すようにしましょう。
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世の中、間違ったことを言う人が多い
ここまでの説明で新品のヘッドでも使い古したヘッドでも、それぞれに良さがあるということは理解してもらえたと思います。
しかし、世の中には新品(張った直後の状態)が一番良いと言う人もいます。
もちろん、好みというのは人それぞれですので、新品のヘッドを張った直後の状態が一番自分の好みというのも良いです。
しかし、それはその人にとってということにすぎません。
現に僕はその状態が一番良いとは思いませんし、一番の好みはヘッドとシェルがよく馴染んだ使い古した状態です。
しかも、新品のヘッドを張った直後の状態が一番良いという人が、ヘッドとシェルの馴染みを考えてその発言をしているかという可能性も低いと感じます。
おそらく一般的な消耗品の概念の「新品が一番良い状態」という浅い考えでしかないかと思います。(色々と試した結果その考えならば良いですが)
冒頭でも言いましたが、ドラムに関しては一般的な消耗品のような「新品が一番良い状態」という概念は捨ててください。
「新品のヘッドを張った直後の状態が一番良い」と思うことが間違いというわけではありません。
僕が言う間違いとは、なんの裏付けもなく可能性を狭める発言をすることです。
こういった、人へアドバイスをしたり教えたりする状況というのは、ドラム講師や先輩ドラマーが生徒や後輩へ聞かれてもいないのに偉そうに語る場合が多いです。
ですので、そういったシーンに出くわしたら「ふ〜ん、この人はこういう考え方なのか。でもこれは1つの考え方や意見だから、結局は自分で色々試して判断しよう!」と思ってください。
決して、それが正解で正義であると思わなくて良いです。
自分にとっての正解は、自分の中にしかありません。
まとめ
・ヘッドとシェルの馴染みは、ピッチの乱れ等のチューニングの安定度に大きく影響する
・ヘッドとシェルを馴染ませるには、ある程度時間がかかる
・新品のヘッド、使い古したヘッドどちらにも良さがあり、何を使うかは好みや求める音で判断すれば良い
・ヘッドをシェルと馴染ませたりヘッドのストレッチをする方法として、一旦ハイピッチに張ってしばらくそのままにしておく方法と、手でヘッドを押すという方法がある
・上記の方法は両方やっても良いし、やらなければならないわけではない
・一番ヘッドが馴染むのは、実際に叩いて使いながらピッチが狂ったら整えることを繰り返すこと
・特にスネアのボトムヘッドは薄いので、ストレッチをする際は気をつける
・他人の言うことは鵜呑みにしないで、自分で実際に試したり試行錯誤した上で自分の好みに合うかどうかを判断する
ヘッドとシェルが馴染み、ピッチの狂いを必要最低限に抑えるということは、ドラムを叩く上でのストレスを減らすことができます。
もちろん、テンションボルトの緩みはタイコを叩くことでの衝撃や振動でも起こりますので、そちらについての対策はテンションキーパーなどをボルトに着けることでいくらか防げます。
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