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Multi Drummerのひろいです。
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ドラムを長くやっている人ならば、自分の機材をだんだんと所有するようになります。
基本的には練習スタジオやライブハウスには、スタンダードな点数のドラムセットが備え付けられておりそれを使う人が多いのですが、自分の機材というのがだんだん欲しくなります。
数あるドラム機材の中でも、一般的にはまず始めにフットペダルやスネアを購入する人が多いです。
そこで、今回はスネアについての話をしたいと思います。
スネアドラムというのは、複数のパーツが組み合わさってできています。
それら1つ1つが音色に大きな影響を与えますが、その中の1つにヘッドがあります。
スティックで直接叩くあの打面の皮のことです。
また、その裏側にもボトムヘッドが張られています。
交換の頻度は人それぞれですが、ヘッドというのは消耗品ですので交換が必要です。
交換時期に関わらず、自分の求めた音を作るためにヘッドの種類を変更することだってあります。
ヘッドの交換時期については、下記記事に書いてありますので読んでみてください。
ドラムヘッドの交換時期はいつ?ベストな交換タイミングとは!?
ヘッドにはたくさんの種類があり、交換する際に今回は何のヘッドを張ろうか?求めている音を追求するためにどんなヘッドを試そうか?と、張り替える際も大なり小なり考え悩みますしそれが楽しかったりもします。
そんな数あるヘッドの種類から今回は、打面側のヘッド(打面側のことをバターサイドとも言います)の比較についての記事を書きたいと思います。
ぜひ、ヘッド選びの参考にしてみてください。
今回、比較紹介するのは僕が愛用しているREMO社のコーテッドアンバサダー、コーテッドエンペラー、ヴィンテージコーテッドアンバサダー、ヴィンテージコーテッドエンペラーの4つのヘッドについて書いていきます。
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コーテッドアンバサダーとエンペラーの違い
まずは、コーテッドアンバサダーとコーテッドエンペラーの違いについて解説します。
この2つのヘッドですが、スネアの打面ヘッドとしては王道的なもので買ったばかりのスネアにもともと張られていたり、スタジオやライブハウスのスネアもこれらのヘッドが張られていることが多いです。
コーテッドということについてですが、今まで利用したドラムセットのタムを思い受かべてもらうと、表面が白色のヘッドと透明なヘッドが張られていることがあったかと思います。
コーテッドとはこの白色のヘッドで、表面をコーティングした少しザラザラとした質感のものです。
これによりクリアヘッドよりもいくらか耐久力が高まります。
明るさはクリアヘッドの方が明るい音色ですが、クリアよりもいくらか落ち着いた音色になるという印象です。
また、このザラつきのおかげでブラシを使ったザーという音を出す奏法にも対応できます。
では、続いてアンバサダーとエンペラーの違いについて解説します。
この2つの言葉の違いはヘッドの厚さです。
コーテッドアンバサダーは1プライフィルムのヘッドで、厚さとしてはミディアムのヘッドです。
その逆にコーテッドエンペラーは2プライフィルムのヘッドになりまして、2枚のフィルムを合わせているので厚さとしては厚めのヘッドとなります。
つまり、コーテッドアンバサダーはコーテッドエンペラーよりも薄く、コーテッドエンペラーはコーテッドアンバサダーよりも厚いヘッドということになります。
この厚さが音色や様々な要素に関係してきます。
まずは厚さと聞いて一番イメージしやすいのが耐久性です。
これはすぐにわかると思いますが、コーテッドエンペラーの方が耐久性があります。
ドラムというのはスティックでヘッドを叩くわけですので、ヘッドもいずれは破れてしまいます。
そういった打撃に対しての耐久性ということですね。
ですので、スタジオにある備え付けのドラムセットのスネアは、アンバサダーよりもエンペラーが張られていることが多いですね。
四六時中、誰かがドラムを叩いているような練習スタジオでは、耐久性のあるヘッドの方が経費削減にもなりますし。
もちろん、アンバサダーだからといってすぐに破れるわけではないので、数ある要素のうちの1つと捉えてもらって大丈夫です。
より重要なのはこれから解説する、音色に関係する要素です。
まずはアンバサダーから説明しますが、アンバサダーの方がサスティンが長くオープンで明るめの音色です。
高域、中域、低域がバランス良くでるヘッドという印象ですね。
続いてエンペラーですがエンペラーはアンバサダーよりもややサスティンが短く、オープンなサウンドではあるのですがアンバサダーよりも太めの音像で、音色としてはアンバサダーよりも明るさに影響する高域よりも中域の方が強調された音色になります。
加えてパワフルさや音量も若干エンペラーの方があります。
人間に例えると、アンバサダーは基本的には普通の子ですが明るく包み隠さずに接してくれる子。
エンペラーは元気でパワフルな部分もありますが、少しサバサバした部分もある子という感じでしょうか。
あくまで人間に例えるとということですので、人間の好みを音の好みにリンクさせる必要もないので、イメージとして捉えてください。
個人的にはコーテッドアンバサダーの方が好みというか、スネアに使うヘッドの中で今のところ一番好きなので特に何もなければアンバサダーを使いますが、スネア自体の性質として少し音量が出にくかったり音痩せが気になる元気のないものや、かなりローピッチにするために耐久性も必要とする場合に関してはコーテッドエンペラーを張るという使い分けを僕はしています。
ヴィンテージヘッドとの違い
前の項目では王道のヘッドであるコーテッドアンバサダーとコーテッドエンペラーについて解説しました。
しかし、REMOのカタログや楽器店で見かけたことのある人もいるかもしれませんが、ヴィンテージコーテッドアンバサダー、ヴィンテージコーテッドエンペラーというヴィンテージという言葉がついたヘッドもあります。
今回は、このヴィンテージのコーテッドアンバサダーとエンペラーについても解説したいと思います。
作りとしては、エンペラーに関してはコーテッドエンペラーもヴィンテージコーテッドエンペラーも同じ2プライの構造ですが、アンバサダーに関してはコーテッドアンバサダーが1プライに対してヴィンテージコーテッドアンバサダーは2プライの構造です。
ちなみに、具体的な厚さの数値ですが
コーテッドアンバサダー:10mil
コーテッドエンペラー:7mil×2=14mil
ヴィンテージコーテッドアンバサダー:7.5mil+3mil=10.5mil
ヴィンテージコーテッドエンペラー:7.5mil×2=15mil
という厚さになっています。
先程の項目でも解説しましたが、耐久性においては厚さが大きく関係してきますので、エンペラーの方が耐久性があるということです。
では、音色や音量についても解説します。
まず、ヴィンテージコーテッドアンバサダーもヴィンテージコーテッドエンペラーも、通常のコーテッドアンバサダー、コーテッドエンペラーに少しミュートをしたような印象があります。
ミュートをした印象ですので、オープンなサウンドというよりもサスティンが短くなり反応の速さをいくらか感じます。
音域についてもミュート感があるので、若干高域を抑えた印象です。
また、音量も少し下がりますので、もともとパワフルさや音量もあるエンペラーの場合はそこまで感じませんが、アンバサダーとなると捉え方によっては鳴りが悪いかなと感じてしまうかもしれません。
逆に控えめな音量や音色がほしい場合は、ハマりは良いですね。
枯れた印象というよりは、やはりミュートの印象
先程の項目でも言いましたが、ヴィンテージコーテッドアンバサダーやエンペラーは、パワフルさやオープンな印象を抑えた音色です。
近い印象として、使い込んだヘッドも新品のみずみずしさはなくなり良い意味で枯れた音色になっていきます。
これをヘッドが死んだと捉えるか、味が出てきたと捉えるかは人それぞれの感覚ですが、個人的にはこの使い込んで枯れた音色が好きなので基本的にはヘッドは破れるまで交換しません。
もちろん、新品のみずみずしい音も好きなので、ヘッドを交換した際はその新品の音を楽しみ、そこから使い込んで枯れた味のある音に育てていくという流れが僕は一番好きです。
だったら枯れた音が好きな人は、近い印象のヴィンテージコーテッドアンバサダーやエンペラーをいきなり使えば良いじゃないかとも思えますが、やっぱり音色の違いがあるんです。
例えばコーテッドアンバサダーを使い込んで枯れた音色のヘッドにしていく場合、新品の時に比べれば劣るもののオープンな印象は残っています。
しかし、ヴィンテージコーテッドアンバサダーやエンペラーの場合は、そのオープンな鳴りをカットしているので印象としてはやはり若干のミュートをした音という感じです。
もともとあったものが衰えてその要素が少なくなったものと、最初からその要素をカットしたものでは違うんです。
どちらが良い悪いではなく、これは完全な好みですし、どんな音色にしたいかでどのヘッドを張りどのタイミングで交換するかを決めれば良いということです。
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結局は好み!正解は自分の中にある
皆んながみんなここまでこだわらなくても良いですが、僕はこだわりが強いタイプですので自分の好みを追求したくなるわけです。
もちろん、ヘッドなんてなんでも良いと思う人もいるでしょうし、ヘッドにこだわりはないがスナッピーへのこだわりはあるなど、こだわりや重要視する要素も人それぞれであり、つまりその人の求めている音が出せればOKです。
芸術の世界に正解はありませんし、結局は好みです。
特にドラムという楽器はメロディー楽器と違い明確にこの音程にチューニングしなければいけないということもないので、自分の好みを判断基準にし自分の中に答えを持っていれば良いのです。
だからこそ難しいですし、とことんこだわりたくもなりますし、それが楽しさでもあるのです。
そもそも、チューニングという要素も大きく関係してくるので、単にこのヘッドを使えばこの音が手に入るというこでもありませんしね。
今回はREMO社のコーテッドアンバサダー、コーテッドエンペラー、ヴィンテージコーテッドアンバサダー、ヴィンテージコーテッドエンペラーの4種のヘッドについて解説しました。
ヘッドのメーカーも色々ありますし種類だってもっとたくさんありますので、自身の求める音探しの参考にしてもらえればと思います。
やはり、気になるものは自分で試すということが自分の耳で判断できるので、あ〜でもないこ〜でもないと色々試し悩むことが重要ですね。