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Multi Drummerのひろいです。
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ドラムセットには複数のタイコをセットすることが一般的ですが、その中でも使用頻度が高くそれでいて特殊な音色が出るのがスネアです。
その特殊な音が出る一番の要素はスナッピーです。
スネアのボトム側に取り付けられている、ワイヤーをコイル状に巻いたものです。
そのスナッピーを取り付けるためにスナッピーのプレート部分にスナッピーコードというものを通して取り付けていくわけですが、このスナッピーコードにも紐だったりフィルムだったりワイヤーだったりと様々な種類のものがあります。
今回は紐やワイヤーのような細長い紐状のスナッピーコードを使う場合の話をしたいと思います。
このようなスナッピーコードを取り付ける場合、スナッピーによってはスナッピーコードを通す穴が2種類あるものがあります。
PearlのUltra-Soundスナッピーというシリーズなんかがそうですね。
Pearlのスネアに標準で取り付けられていることも多く、Pearlのスネアを使っている人はこのシリーズのスナッピーを使っている人も多いのではないでしょうか。
僕もPearl製品を愛用していることもあり、Ultra-Soundスナッピーシリーズを張って使っているスネアが数台あります。
確認はしていませんが、このシリーズでなくても他のメーカーのスナッピーでもこういった仕様のスナッピーがあるかと思いますし、どういったタイプのスナッピーコードを通す穴がどんな効果をもたらすのか知ることができるので、この記事を読み進めてください。
今回はUltra-Soundスナッピーを中心に解説していきますが、ぜひスネアのサウンドメイキングの参考にしてくださいね。
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なぜ穴が2種類あるか?
では、なぜ2種類もスナッピーコード(紐状)を通す穴があるかをまずは説明していきます。
2種類あるということはそれぞれ違った効果を得られるということですが、まずは下の写真をみてください。
これは表側からの写真になりますが、内側の穴に比べて外側の穴の方が穴に対して膨らみがあるのがわかります。
ちなみに、中央の横に細長い穴はフィルムタイプやベルトタイプのスナッピーコードを通す穴です。
続いて裏側からもみてみましょう。
裏側から確認すると、内側の穴はプレートがフラットなのに対して外側の穴は先程表側から確認した膨らみの分、裏側がへこんでいます。
このプレートの形状、特に裏側がフラットなのかくぼんでいるのかがサウンドに大きく影響してくるんです。
原理と音への効果
では、それぞれの穴に通した場合、どのような原理でどういった音への効果がでるかを解説していきます。
まず、内側の穴にスナッピーコードを通すと、プレートがフラットなために通したスナッピーコード分プレートが浮き上がります。
つまり、ボトムヘッドに触れるのは響きとして一番の主要となるコイル状のワイヤーとスナッピーコードということになります。
プレートが触れない分、それだけボトムヘッドに触れる面積が小さくなるために、スナッピー(プレートも含む)によるボトムヘッドへのミュート効果は小さくなるのでオープンな響きを得ることができます。
オープンな響きになる分、スナッピーのザーッという余韻が残りすぎたり、タム類を叩いた際に起こる共鳴によるスナッピーの鳴りが長くなりすぎることもあるので、スナッピーの張り具合を調整し必要以上のスナッピーへの共鳴の対策をとらなくてはいけません。
タム自体の余韻の調整をし対策をとるというのもありです。
次に外側の穴にスナッピーコードを通した場合ですが、プレートにくぼみがある分プレート自体もボトムヘッドに触れます。
そのためにスナッピー全体(プレートも含む)でボトムヘッドをミュートすることになるので、内側の穴にスナッピーコードを通した時よりもタイトな音になります。
ですので、余韻のコントロールは適度にしてくれるのですがスナッピーを張りすぎてしまうと詰まった音になってしまいます。
どちらの穴に通した場合も、スナッピーの張り具合によってサウンドに大きな影響を与えるので、あくまで印象の目安として捉えてください。
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どちらの方がよいのか?
それぞれ特徴があることはわかってもらえたと思いますが、実際に自分が使う時にどちらの穴に通して使えば良いのか悩むと思います。
では、どちらの方が良いのかと言いますと、これは完全に好みなのでどちらでも良いです。
実際にUltra-Soundスナッピーを使っている人や、これと同じような仕様になっているスナッピーを使っている人は両方試してみてどちらが好みか判断すれば良いです。
ちなみに、紐タイプのスナッピーコードを使っている人は、スナッピーの張り替えを何度もしているとスナッピーコードが摩耗し切れてしまうことがあるので、予備のものを購入しておきましょう。
あまり機材いじりをしたことがない人は切れたりしたら嫌だなと思うかもしれませんが、スナッピーコードは消耗品なので使用していれば切れることが普通です。
予備のものを用意しておけば切れても交換すれば良いだけなので、怖がらずにどんどん色々なことを試してみてください。
通す穴は自分の好みでどちらでも良いと言いましたが、僕のおすすめも紹介しておこうと思います。
僕ならば断然内側のプレートがボトムヘッドに接触しない方の穴を使いますね。
実際にUltra-Soundスナッピーを付けているスネアは、ほぼ内側の穴にスナッピーコードを通しています。
これは完全に僕の好みですが、オープンで自然な響きが好きなもので。
Ultra-Soundスナッピー以外のスナッピーも使っていますが、穴のタイプが1つだけのものはプレートがボトムヘッドに密着しないタイプのものを選びますしね。
Ultra-Soundスナッピーのように穴のタイプが2つあるものもありますが、紐状のスナッピーコードを通す穴が1つのタイプのものもあるので、そういったものを使う時はどういった仕様になっているのか確認し方が良いです。
そのためにも、どちらが自分好みの仕様なのか知るために、どちらも試して今の自分の好みを知っておくということも重要です。
Ultra-Soundスナッピーのような2つのタイプの穴のあるスナッピーを1つ持っておけば、1つのスナッピーでどちらの仕様も試すことができるので、自分の好みを知っておきたいという人は手に入れて使ってみると良いですね。
ちなみに、外側のプレートがボトムヘッドに密着するタイプがなぜあまり好みでないのかの説明もしておこうと思います。
こちらの仕様の穴にスナッピーコードを通して使うと、張り具合にもよりますがスティックで叩くショットの力加減によって音色が変化してしまうからです。
小さな音量から少しずつ音量を上げて叩いていくと、ある一定の音量に達するとスナッピーの響きの音色が急に変わります。
僕としては、音量が変化しても音の系統はそのままの方が好みなので、こちらの仕様で使うと凄く気になってしまうんです。
小さな音量で叩いている時は比較的自然にスナッピーが鳴っている感じなんですが、ある一定以上の音量になると鳴りにブレーキがかかったような印象になってしまうんですよね。
おそらくプレートによるボトムヘッドへのミュート効果が関係していると思われますが、この感じが好みじゃないんですよ。
もちろん、こういった感じになることの方が好きという人には全然OKかと思いますが、こういった所も好みで判断すれば良いかと思います。
外側の穴を使うことも
基本的にはオープンな鳴りにするために内側の穴を使うことが多いですが、42本のような多本数のスナッピーを使う場合は外側の穴を使います。
なぜかというと、スネア以外のタイコを叩い際のスナッピーの共鳴が関係してくるからです。
その共鳴を適度に抑えてくれる効果がありますので、42本のスナッピーを使う場合は外側の穴を使っています。
多本数スナッピーについてやその際に起こる共鳴については、下の記事に書いてありますので合わせてお読みください。
どんどんチャレンジしていこう
Pearlのスネアを使っている人は、このUltra-Soundスナッピーが最初から付いていて使っている人も多いかと思いますが、買った時のままでもう1つの穴にスナッピーコードを通すことを試していないという場合は、ぜひどちらも試してみてください。
今の自分の好みを知ることは、自身の音作りの一番の判断材料になりますので、色々と試してみください。
細かな自分の好みを把握し、それを実際の音作りに取り入れていくことで、トータルでの自分好みのドラムサウンドを作っていくことができます。
また、このケースにはこれが合うかもな!?という音作りの引き出しも増えていくので、出来るフレーズを増やすことと並行して音作りの引き出しも増やしていってくださいね。
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