盗むのはテクニックだけではない!動画を見ながら音作りのヒントを得よう

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Multi Drummerのひろいです。

現代では動画を観るということがもの凄く容易になっていますし、当たり前になっています。

僕もYouTubeで動画を観まくっています。

ひと昔前は自分の観たいものはDVDプレイヤーを起動させて、手前をかけて観なければいけなかったですが便利な世の中になりましたね〜。

そんなわけで、手軽にライブの映像やセミナー等のイベントの映像など、好きなドラマーの演奏をスマホ片手にどこででも観れるようになりました。

そういった時にドラマーならば、この音良いな!好きだな!と感じる動画に出会うことがあるかと思います。

観るだけならばここで終わってしまいますが、ドラマーだとやっぱり同じ音がだせるようになりたいと思うものです。

特に自分の機材として持っている人も多いスネアの音には、自分もこんな音作りをしたいと感じるでしょう。

これがCDの音源ならば情報は耳から得るしかありませんが、今観ているのは動画です。

その音作りのヒントとなる要素が視覚的に提示されています。

今回は、どうせ動画を観るのならば、「このフレーズこうやって叩いてたんだ」「こういった体の使い方しているんだ」というテクニック面だけでなく、音作りのヒントもゲットしてしまおうというテーマで書いていきます。

今回は主にスネアの音についてのヒントの見つけ方のアドバイスをしたいと思いますが、タム類にも応用することができますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

胴の深さを判断

これから各ポイントを項目ごとに解説していきますが、動画なのでどうしてもカメラワークが影響してきます。

動画によっては全ての要素を確認できないケースもありますので、そこは前提として認識しておいてください。

まず1つ目のポイントは胴の深さを判断するというこです。

正確なインチ数までは把握できなくても、深めの胴なのか?ピッコロのような浅い胴なのか?だいたい中間くらいの胴なのか?ということが、遠目からでも確認することができます。

胴の深さは叩いた際の余韻の長さや、音の太さや重さにも影響がでますので、まずは確認しやすい胴の深さに注目してみましょう。

一般的なサイズ感ではありますが、結構深めだなと感じるスネアだったら6.5インチのものが多いです。

その逆に極端に浅い胴だなと感じたら3.5インチ前後くらいのものが多いです。

中間くらいの普通の深さだなと感じたら5〜5.5インチくらいのものが多いですね。

モデルによっては珍しいサイズ感のものもありますが、今後の音作りやスネア購入に役立ちますので、覚えておくと良いですね。

口径を判断

一般的なスネアのサイズは14インチですが、人によっては13インチのスネアをメインスネアとして使っていることもあります。

1インチしか変わらないので判断は難しいと思いますが、真上からのアングルで見た時に「あれ?少し小さいかな?」と感じたら13インチのスネアを使っている可能性があります。

また、動画を観ている際にサイドスネアの音が気に入った場合は、12インチくらいの小さめの口径のスネアを使っていることもあります。

12インチともなると口径が小さいことはわかりやすいですし、メインスネアとの比較もできるので口径にも注目してみてください。

メーカーやモデルを判断

このスネアの音良いな!こんな音にしてみたい!と思った時に、同じモデルのものを手に入れれば、同じものを持っているというだけで気持ち的にもその音に近づける感覚もありますし、実際に色々と楽な面もあります。

ですので、そのスネアはどのメーカーのなんなのか?を調べてみるのも良いです。

プロのミュージシャンともなると、各ドラムメーカーと契約をしていることが一般的ですので、どこのメーカーを使っているのかを確認します。

バスドラムのフロントヘッドにロゴが描いてあるケースが多いので、判断がしやすかったりもします。

そこから各メーカーのサイトやカタログ等で照らし合わせてみると、現行のものでしたら一致し何を使っているかが具体的にわかります。

しかし、既に廃盤のモデルを使っていることもありますし、スネアだけ違うメーカーのものをその時は使っていたなんてケースもあります。

ヴィンテージ品では型は同じでも作られた年代が違うということもあるので、完璧に突き止めることが出来ないこともありますが、じっくりとカタログを見る機会にもなりますので、動画内で使われているものと照らし合わせるということをすると細かな箇所を見比べるので勉強にもなります。

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シェル(胴)の素材を判断

タイコの胴の部分(シェルとも呼びます)は様々な材質のものがあります。

大きく分けると木胴(ウッドシェル)、金属胴(メタルシェル)と分かれます。

そこからさらに、木の材質や金属の材質でも使われているものが違うのでさらに細分化されていきます。

なんだか難しいと感じるかもしれませんが、ほとんど限られた材質のものが使われていることが多いので、上記の項目のようにドラムメーカーのカタログをたくさん見ているとなんの材質が使われているかがなんとなく分かってきます。

ですので、カタログを見る際には胴の材質にも注目してみてください。

しかも、材質というのはそのスネアを見ただけでおおよその見当をつけることができることもあります。

特に金属シェルの場合、見ただけで判断できるケースが多いです。

既にドラムのカタログを読み込んでいる人ならば、その胴の色でなんとなく判断ができることに気が付いている人もいるでしょう。

そうなんです、色で判断できるケースがあるんです。

もちろん、分かりにくいものや木胴の場合は色で判断するのが難しかったりするのですが、金属胴の場合は色で素材を判断できるくらいカタログを読み込んでみてください。

もし、動画内で気に入ったスネアサウンドに出会った場合、そのスネアの材質まで判断できるようになりますよ。

求めている音にならない・・・

ここまでの項目の内容は長くドラムをやっている人や機材関係に興味のある人ならば、比較的に実践し自分なりに判断している人は多いかと思います。

また、ドラム雑誌やドラムメーカーのサイトから好きなドラマーの機材情報を得ることで、動画で判断しなくともどんなスネアを使っているのかを把握している人もいるでしょう。

そうなると、自身のスネア購入の際にそれらの要素を参考にし、同じモデルや胴の深さや口径や材質なんかがなるべく近いスネアを購入する人もいるかと思います。

よし!これであの音が出せる!?と思っていたにも関わらず、せっかく調べたり研究したりした末に手に入れたスネアであの音が出せないと感じた人もいるでしょう。

「同じモデルを買ったのだからあの音だ!」と錯覚を起こしている人もいるでしょうし、なんか違うかなと思いつつも「同じモデルなんだから実際に聴こえている音はあの音になっているはず!」と自分に言い聞かせている人もいるでしょう。

しかし、長く使っていく過程や自分の耳がより肥えてくるうちに「あの音じゃないんだよな・・・」と悩む場合は多いです。

同じモデルを買っているにも関わらずですよ!?全く同じじゃなくてもシェルの材質・胴の深さ・口径がほぼ一緒なのにも関わらずですよ!?

何故このようなことになってしまうかというと、ドラムの音作りはまだまだ他にも色々な要素が絡み合ってくるからです。

ここからの項目は、さらに奥深い音作りの要素を紹介していきます。

知らなければ注目しなかった内容でも「こんな要素もあるんだ!?」と知ることによって、動画から音作りの様々なヒントを得ることができます。

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ミュートの有無・種類を確認

スネアの打面に注目してみるとフチの辺りに何かが付いていることがります。

ガムテープを小さく切って貼っていたり、同じようにガムテープでも小さく筒状に丸めたものを貼っていることもあります。

小さいので今まで気がつかなかった人もいるかもしれませんが、これはミュートなんです。

他にもミュートの種類はありますが、まずミュートの効果を解説していきます。

ドラムに使われるミュートは余韻の調整、叩いた際に出る音の音域の成分の調整がメインとなります。

ミュートの量が少なければそれらの微調整をしていることになり、量が多ければ音のキャラクター自体を変えることができます。

スネアドラムを叩く場合、握ったスティックを振り下ろしスティックで打面を叩いて音を出します。

その際に、ヒットした瞬間のアタック音とは別にヒットした後も音が響いています。

これが音の余韻です。

タイコの場合アタック音に耳が集中しがちですが、シンバルを叩いた時にシャーーーンと音が伸びているのと同じように、スネアも胴やヘッドなどの様々なパーツが叩いた後にも響いています。

試しにスネアを叩いてみてください。

音が伸びているのがわかるかと思います。

スネアそれぞれやチューニングによっても音の長さが変わりますが、ミュートによってこの長さを調節するということをしているのです。

もちろん、ミュートという言葉からも余韻を長くするための調整はできませんので、余韻をどのくらい短くするかの調節をしているということです。

ちなみに前提として話しておきますが、余韻が長いから悪い・余韻が短いから良いということではありません。

自分の求めた音にするための方法の1つということです。

このミュートをすることによって少し響きすぎるな!?と感じている場合や、もう少し余韻を短くして音の輪郭を整えたいという場合にミュートをしていくんです。

また、それと同時に音の成分の調整もされます。

音というのは高域〜低域という音域の成分があります。

高域の成分が多ければ高い音に聴こえますし、低域の成分が多ければ低い音に聴こえます。

この調整もミュートによってできます。

特にミュートをした場合は、高域の成分がカットされていきます。

これもミュートの量によってカットされる度合いは変わりますので、ミュートをすればするほど高域の成分が減っていき重心の低いどっしりとした音になっていきます。

こういったバランスを自分好みに整えていくということができるわけですが、何点か注意することもあります。

このミュートをした場合、余韻のカット・音域の調整というのは同時に行われます。

今の音域のまま余韻だけカットしたいと思っても、ミュートをした段階で音域の成分も変化しています。

ですので、そのバランスを考えてミュートの量を調整していかなくてはいけません。

最初にも言いましたが、ミュートの量が少なければ微調整の範囲での効果になりますし、量が多いとキャラクターが変わってしまうくらい音に変化が出ます。

加えてミュートをすると、ミュートという言葉の通り音量も下がります。

これもミュートの度合いによりますが、ミュートの量が少なければ音量の変化にさほど影響はありませんが、量が多ければ音量もいくらか下がります。

もちろん、あえて音量を下げるためにミュートの量を多くするという場合もありますので、どれが良い悪いではなく求めている音色・音量にするためにミュートの量も調整していけば良いのです。

また、ミュートにも色々種類がありますので、最初に紹介したようにガムテープだけを使ったミュートやティッシュを折り畳んだものをガムテープで貼り付ける方法、ハンドタオルを折りたたみフープにクリップで取り付ける方法、ヘッドに貼り付け可能なジェル状のミュートやヘッドの上に乗せることのできるリング状のリングミュートなんかもあります。

他にも色々とありますが、どのミュートをするとどんな音がするのか?量をどのくらいにするとどんな音がするのか?を実際に試して体感することが一番です。

また、その逆にミュートを一切しないことをノーミュートと言います。

ミュートによる一切の微調整をせずにスネア本来のオープンな鳴りで音を出すことができます。

ちなみに僕は、音の微調整も含めチューニングだけで音を作りノーミュートで鳴らすというのを基本とし、極端にキャラクターを変えたい時のみリングミュートやハンドタオルを使った比較的ミュート範囲の大きいミュートをするという使い分けをしています。

微調整のためのミュートはしないというのが、僕のポリシーだったりします。

人それぞれ好みはありますので動画を観た際に気に入った音に出会った場合、ミュートの有無を確認しミュートをしているのならどのような方法でどのくらいの量でミュートをしているのかまで注目することができると、理想の音に一歩近づくことができますよ。

スネアではないですがバスドラムにもミュートは使われており、そのことについての記事もありますので読んでみてください。

練習スタジオの落とし穴!?バスドラムの尋常じゃないミュートについて

フープの種類を判断

先ほどの項目のミュートについてですが、ミュートという概念を知っていればスネアのアップのカットがあった場合は比較的判断がしやすいです。

ミュートよりはわかりにくい部分はありますが、これと同じようにアップのカットがあった場合わかりやすいのが、どんなフープを使っているかです。

フープも音にすごく影響のあるパーツです。

材質まで判断するのは難しいですが、形状からプレスフープかダイキャストフープかの判断はできます。

また、トップ側とボトム側で違う種類のフープをつけている場合もありますので、その点も確認できるとなお良いです。

フープについては下の記事で詳しく解説しているので、合わせて読んでみてください。

あなたのスネアのフープは何?フープと音の関係について

色々と試せるように、日頃からダイキャストフープとスチール製のプレスフープを上下ストックしておくことをお勧めします。

スナッピーの本数を判断

続いても音作りに影響のあるスナッピーについてです。

これはスネアを下から確認できるカットがある場合ならば、どのくらいの本数のスナッピーを使っているかが判断できます。

微妙な本数の違いはありますが、響線の本数は20本か42本というのが一般的です。

20本が基本となり多めの本数だと42本という感じです。

中には24本というものや、20本よりも少ないモデルや同じ本数でもハジのプレートの形が数種類あるモデルなどもあります。

中にはスナッピーを数本自分で切っているドラマーもいるので、微妙な本数の違いまで判断するのは難しいですが、20本なのか?42本なのか?の判断はできるようにしておきましょう。

音の違いを体感するためにも、それぞれの本数のものを同じスネアで試してみるということをするとより耳が肥えていきますので、どちらも1度は試してみると良いですね。

ヘッドの種類を判断

最後は動画では判断するのが難しい要素ですがヘッドについてです。

ヘッドも音にかなり影響がありますので、できるならば何を使っているかがわかったほうが良いです。

完璧になんのヘッドかわからなくても、見た目として明らかに判断ができるのが表面が白いコーテッドタイプのヘッドなのか?透明なクリアタイプのヘッドなのか?ということです。

一般的にはコーテッドタイプのヘッドをスネアに張ることが多いですが、人によってはクリアタイプのものを張っている人もいます。

この2つの判断ができるだけでも、音作りの参考になります。

また、中心にドットがあるものならばそれだけでだいぶ種類が絞られますし、それがコーテッドなのかクリアなのかでさらに種類が絞られます。

表面の色味や模様なんかでもある程度絞って判断ができたりもします。

Instagramなどの動画投稿と画像投稿の両方がメインとなるSNSの場合なんかは、ドラムセットの画像投稿でスネアがアップで写っているものならば写真を拡大するとなんのヘッドを使っているかがわかったりもします。

加えて、新品のヘッドと使い古したヘッドでも音がいくらか変化しますので、その点も注目できるとなお良いですね。

ヘッドについては過去にこんな記事を書きましたので合わせて読んでみてください。

スネアヘッド何を使う?王道ヘッドとヴィンテージと名の付くヘッドの違い

ドラムヘッドの交換時期はいつ?ベストな交換タイミングとは!?

スペックを同じにしても完璧に同じ音は出ない

ここまで色々と書いてきて、それをくつがえすようなことを言いますが、スペックを同じにしたからといって同じ音は出ません。

まず第一に叩き手が違います。

その動画を観て音が気に入ってもドラムを叩いているのはその動画内のドラマーですし、スペックを同じにしたスネアを用意してもそれを叩くのはあなたです。

叩き手が100人いれば100通りの音がします。

体格も違いますし、ショットスピードも違います。

グリップの握り方、力の入れ具合、使っているスティックだって違います。

なので全く同じ音は出ません。

たとえその自分が良いなと思った音のスネアを、その場で叩けたとしても動画内のドラマーが叩くのとあなたが叩くのでは音は違くなります。

加えて、チューニングという要素もかなり大きいので、その音に近づけるチューニングができるかどうかも重要な要素になってきます。

また、録音している会場や部屋の広さ、環境によっても音に変化が生まれます。

ここまで聞くとやっぱりダメなのか・・・と感じることはできますが、全く同じ音は出せなくてもその音に近づけることはできます。

そのために、いろいろなことを試し研究して行くのです。

その過程で自分の好みもはっきりしてきますし、様々なケースに合った音作りができるようになります。

機材に対して知識がなかった人でも、ここまで読んでくれた人はどんなことが音に関わるのかを知ることができたはずですので、とにかく研究しスネアをいじり倒してみてください。

ドラムの奏法的なテクニックを磨くのと同じで、好みも変わりこともあり音作りも一生悩み研究していくことになります。

しかし、その過程が楽しさの醍醐味です。

つまり、一生楽しめます。

とにかく自分で触ってみないとわからないことだらけです。

まずは一歩を踏み出し自分の納得する音に近づけるように頑張ってみてくださいね。

これを機に自分のスネアを購入してみようと思った人は下の記事も合わせて読むと、スネア以外にも何を買ったら良いのかがわかります。

必要なアイテム多数!スネアを買う時に同時に購入すべきもの5選

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