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Multi Drummerのひろいです。
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前々から僕自身も練習スタジオで備え付けのセットを使って練習する際に、「これじゃドラマーの上達の妨げになるわ・・・」と思っていたことがあります。
それは、バスドラムにミュート入れすぎ!ってことです。
ミュートってなんだ?と思った人は、練習スタジオのバスドラムの中にフロントヘッドの穴から手を入れてみてください。
なにやら毛布やらクッションやらが大量に入っているかと思います。
中には重りも入っているものもあるかと思います。
ミュートにも意味はある
もちろん、ミュートには意味があります。
現代のサウンドにはアタックを重視していることもありますし、アタックを重視しないサウンドメイキングにおいても、余韻の調整のために多少はミュートを入れることが一般的です。
重りに関してもサウンドへの影響はもちろんのこと、単純にバスドラムが不必要に動かないようにという目的もあります。
そういった本来の目的や効能はあるものの、練習スタジオにあるバスドラムにはミュートを入れすぎなケースが多いです。
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上達しなくなる、能力の低下も・・・
スタジオの意図として、単純に防音目的や部屋の作りによっては音が回りやすかったりするためにそれを防ぐという目的もあるでしょう。
しかし、この状態でこのミュートによって引き起こる現象を知らないドラマーが練習をすると上達の妨げになってしまう可能性が出てきます。
ミュートの存在や効果を知っていても、じゃあどうするか?といったことがわからなければその危険は付きまといます。
特にある程度のドラム歴があり、タム類やスネアを大きな音で鳴らせるようになったドラマーは危険です。
ある一定の所までいくと全然上達しなくなります。
むしろ「前はこのフレーズできたのにな・・・」というスランプにも結びつきます。
手足の音量バランスが崩れる
では、なぜそのように上達の妨げになってしまうのかというと、手足の音量バランスが崩れるからです。
ミュートという言葉には音を消したり弱めるという意味があります。
今回のテーマのバスドラムの場合は完全に音が消えるわけではないのですが、バスドラムを鳴らした際の余韻はカットされます。
加えて弱めるという観点にも当てはまりますので、単純に音量が小さくなります。
先程も言いましたが、余韻や音量の調整のために適度なミュートならばプラスに働きますが、過度なミュートをした場合にはそのプラスの要素がマイナスの要素へ変化してしまう場合もあります。
バスドラム本来の胴の鳴りがほとんどなくなってしまい、音量も極端に小さくなってしまいます。
こういった極端な音色や音量を求めているのならば構いませんが、そうでないのならば知らずに自分の意図しない音になっているということなんです。
バスドラムを単体で鳴らせばある程度の音量がでていることがわかりますが、ドラムはキックを踏むだけではないので手を使いスティックで各タイコやシンバルを叩きます。
そうなるとスネアやタムの音量はしっかりでているのに、それに比べてバスドラムの音量が小さいな・・・と感じてきます。
ましてやバンド練習でスタジオに入った場合などギターやベースの音も加わるので、なおさらキックが全然聴こえないなと感じてしまいます。
つまり、もの凄く手足の音量バランスが悪い状態で音が鳴ってしまうということです。
まだドラムを始めたばかりの初心者の人ならば、スティックで叩いた際の音量もさほどないのでバランスの悪さを感じませんが、ある程度スティックで叩いて音量をだせるようになった初心者の域から脱出したドラマー以上のレベルの人は、手で叩いた音量は大きいのにキックがやけに小さいという現象が起こります。
レベルが上がるほど悪影響
初心の域を脱出している人にも2パターンありまして、1つ目は本当にキックの音量が小さくバスドラムを鳴らす能力がまだ身についていないパターン。
この場合ならばキックの音量を上げる能力をつけていけば良いのですが、問題はもう1つのパターンです。
もう1つのパターンは、本来ならばしっかりとキックの音量をだせる能力があるにも関わらず、過度なミュートのせいでバスドラムの音量が小さくなってしまっている場合です。
脱力すべき所は脱力し、力を加えるべき瞬間は力を加えてフットペダルを踏んでいる。
キックの踏み方としても、無駄がなく理想的な踏み方ができている。
にも関わらずバスドラムの音量が小さい・・・
その場合、こういった人達はどうするかというと、音量を出そうと必要以上に力を入れてキックを踏むようになります。
つまり、足の動きに力みが生じてくるということです。
そうすることによって確かに音量が上がる場合もあります。
キックを踏むタイミングとして前後の音符も詰まっておらず、1発だけドンとキックを踏む場合なら音量をだすことができるでしょう。
しかし、これが音符の間隔が詰まっていたりダブルを踏んだりと、せわしなくキックを踏む場合だと力みによってキックの音が鳴らなくなります。
力みが生じると足が思うように動かなくなりますし、スプリングの力によって戻ってくるフットボードとのタイミングとも合わなくなり、自分では足を動かしているのに音が鳴らないということになるのです。
バスケットボールのドリブルを思い浮かべてもらうとわかりやすいですが、ボールをドリブルする際に大きくまたは勢いよくドリブルをしたいからといって腕の力を極端に使うということはしないはずです。
むしろ必要以上に力を込めてドリブルをしようとしても、ボールの跳ね返ってくるタイミングと腕の動きがズレてしまい上手にドリブルができないです。
これと同じ現象が、力んでキックを踏んでいるということなのです。
どうやって対策するか?
先ほど説明したように、過度なバスドラムのミュートはそのサウンドを求めている場合以外は、悪影響になることが多いです。
では、どうやったら悪影響を受けずに済むのか?の対策方法を紹介します。
まず1つ目は、バスドラムの中に入っているミュートの量が多いのならば、単純にそれを減らしてしまえば良いのです。
バスドラムのフロントヘッドはホールカットといって、マイクを中に入れられるようにするために穴が空いています。
その穴からミュートを自分が使う時だけ出してしまえばOKです。
これにより適度なミュートにすることができます。
もちろん、使い終わったら元に戻すようにしましょう。
今説明した対策ですが、中に入っているミュートによっては穴から取り出せないものもあります。
単純にミュートが大きくて穴を通らない場合です。
そうなると、バスドラムのヘッドのどちらかを一旦外さないとミュートを取り出すことができません。
時間に余裕のある時や、そういった手間にも労力を費やすことができるのならば良いですが、正直面倒だと思いますし、お金を出してスタジオを利用していますので練習に時間をかけたいこともあり、もったいない気持ちにもなると思います。
本当はここまでやった方が良いのですが、毎回の練習となると・・・という感じですよね。
そういった場合は、このミュートされ小さくなったバスドラムの音量に他(バスドラム以外のタイコやシンバル)の音量を合わせていく必要があります。
つまり、手で叩くタイコやシンバルを思いっきり叩かないということです。
もちろん、叩いた時に出る音量というのは人それぞれなので、多少抑えれば良い人もいれば、かなり抑えなければいけない人もいます。
ミュートの量によっても変わりますので、その時々で自分で手足の音量バランスをとっていく必要があります。
また、それとは別に叩き具合をそこまで変えずに、過度にミュートの入っているバスドラムの音量にその他の音量を合わせる方法もあります。
方法としては、バスドラム以外のタイコにもそれなりにミュートをするということです。
太めのリングミュートを乗せても良いですし、ハンドタオルを折ったものをクリップでフープに取り付けても良いですし、ティッシュを折りたたんだものをガムテープでヘッドに貼り付けても良いです。
その各ミュートの度合いをバスドラムの音量に合わせていきます。
そうすることで、音量もそうですがセット全体としてミュートの効いたデッドなサウンドになります。
もちろん、自分が叩く楽曲に音色が合わなければ採用できませんが、ミュートにはミュートという方法もあるのです。
音色がハマれば叩く強さを普段と変えなくて良いので、自然と音量バランスがとれますね。
もちろん、ミュート云々ではなく、力が分散してしまう体の使い方をしていたりフットボードの踏む位置がおかしかったりと、単純にその人のキックの踏み方が悪いせいでキックの音量が小さい場合もあります。
この辺りの具体的な理想のキックの踏み方についての話は普段レッスンで教えていますが、ミュート云々の前にキックの踏み方やペダル操作に問題がある場合もありますので、色々な観点から何がいけないのかを考える必要があります。
上達の妨げになる要素は自分でなんとかする
今回は過度なバスドラムへのミュートが上達の妨げになる可能性があるということを書きました。
このように知らず知らずのうちに上達の妨げになる環境下で練習をしていたり、それ以外にも上達の妨げになる練習方法や考え方をしていたということは誰にでも起こります。
もちろん、誰でも最初は未熟ですしそういった経験を経て何が良いか悪いかを学び上達していくわけです。
自分で気づく必要もありますし、それができないのならば誰かに教えてもらう必要が出てきたりもします。
気づくまでのプロセスも重要ですが、四六時中ドラムを叩ける状況や環境でなければドラムに費やせる時間も限られてきてしまうので、なるべく上達の妨げになることはしたくないはずです。
早めにそういったことを知り、普段の練習に自分で取り入れていかなければならないということです。
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