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Multi Drummerのひろいです。
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ドラムは両手両足を使って演奏する楽器です。
もちろん、常に左右の手足を動かしているわけではないですし、叩くフレーズによっては利用しない部位も出てきます。
「そりゃそうだよね。左足とかそんなに使わないもんね。」と思った人もいるかと思います。
ですが、実は左足ってかなり動かすんです。
「え!?左足って動かすの?」と感じた人は、自分の好きなドラマーさんのライブ映像等の演奏シーンを見てみてください。
左足が映っているシーンで足の動きに注目してもらうと、何やら細かく且つ一定のリズムで左足が動いているシーンがあったのではないでしょうか。
何となくライブ映像や歌番組の演奏シーンの時に、左足を動かしているのを観て知っていたという人もいると思います。
そんな人は「自分じゃ左足を動かしながらドラムを叩くことはできないけど、左足を動かさなくてもドラムって叩けるから両手と右足だけでドラムを演奏してきた」という人も多いはずです。
左足は基本的にハイハットのペダルに足を乗せているだけ!ということですね。
ドラム演奏において、これももちろん正解です!
確かに動かさざるを得ない時のみに左足を動かすというスタイルでもドラムの演奏はできますし、プロのドラマーさんにもそういった方はいます。
(出来るけどやらないと、出来ないからやらないという違いはありますが)
しかし、多くのプロドラマーや上級者ドラマーが左足を動かしリズムをとっているのは、動かすことでのメリットや役割りがあるからやっているのです。
そうでなければ、わざわざ出来るようにするために練習なんてしないですからね。
意味があるからやっているんです。
では、どういったメリットや役割があるのかを、今回は解説していきます。
「左足を動かせるようにした方が良いのかな?」と思っていた人や、「左足なんて動かさなくてもイイでしょ!?︎」と思っていた人も、出来るようにしないとダメじゃん!?と感じるはずです。
今回のテーマは内容的にかなりのボリュームになるので、①~③の3つの記事に分けて書いていきたいと思います。
今回は①となります。
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左足はどんな動きをしているのか?
左足も両手や右足と同じように、様々な音符に合わせた動きをします。
しかし、左足を多く動かしているor常に動かしているようなドラマーが動かしている音符というのは限られたものが多いです。
左足を常に動かしているような場合は一定のリズムをキープしています。
不規則に動かしているわけではないんです。
では、どんな音符でキープしているかというと、特に多く使われるのが4分音符と8分音符の2つです。
上記2つよりも頻度は下がりますが、8分音符の裏だけや3連符の3つ目だけをハイハットを踏んで実音として鳴らす場合もあります。
そして、動かす動作としても今言ったようにハイハットのペダルを踏むことによって、ハイハットを開閉させ実音として音を鳴らす場合(この踏んだ時になる音をチック音と言います)と、ハイハットを踏み込んだ状態のままかかとだけを動かしリズムをとるゴーストモーションという動作の2種類が多く使われます。
ちなみにそれ以外にも、フットスプラッシュorフットクラッシュという呼び名の、踏み込んだハイハットを瞬時に開きシャーンという余韻の長いシンバル音を足だけで鳴らすという奏法もあります。
その他にもハイハットに限らずツインペダルのスレイブ側(シャフトから伸びた先のペダル)やツーバスの左側のフットペダルを踏んでのフレーズを演奏する場合や、左足側にクラーベやカウペルなどを設置しそれをペダルを踏んで鳴らすとう場合もあります。
ですが、今回はハイハットを実音として鳴らす場合(チック音として)と、ハイハットを踏み込んだ状態をキープしかかとだけを動かすゴーストモーションの、一定のリズムをキープする動作にフォーカスした内容で記事を書いていきます。
左足を動かすメリットや役割
では、今回のテーマである左足を一定のリズムでキープすることのメリットや役割は以下のものが挙げられます。
- 体内のメトロノームの役割
- アンサンブルにおいてのガイドになる
- 表現力の幅が広がる
- 各音符の裏のオープンからのクローズが自然にできている
- ゴーストモーションをしていれば、その流れでハイハットが踏める
- ゴーストモーションと実音としてハイハットを踏む動作を組み合わせることによって、音符を細かく感じることができる
それでは次の項目から、各内容について細かく解説していきます。
今回の記事では1、2の内容について説明します。
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体内のメトロームの役割
まず1つ目が体内のメトロノームの役割が担えるということです。
簡単に言うと「リズムが良くなる」「体内時計の精度が上がる」ということです。
みなさんが普段演奏している曲や今後演奏できるようになりたいと思っている曲には、テンポというものがあります。
(例外としてテンポがフリーなものもありますが)
音楽的な理論がわからなくても感覚的にテンポが速い曲、テンポが遅い曲というのはなんとなくわかるはずです。
そして、曲を演奏する時にはそのテンポをきっちりと守って演奏する場合もありますし、その場の空気感や熱量によって多少の揺れはあっても大体そのテンポの速さで演奏するという場合も出てきます。
例えば、曲のテンポをきっちりと守る場合は、プレイヤーが生で演奏している音以外にあらかじめ作ってある同期用の音源と一緒に演奏するケースが挙げられます。
わかりやすく説明すると、歌をうたいにカラオケへ行くことがあると思いますが、このカラオケも歌以外のパートの音源に合わせて人間が歌をうたうということになるので、上記の場合に当てはまりますし、事前に用意された音源に合わせているということですね。
これが歌以外にも楽器に置き換えられる場合もあるということです。
実際にライブをするにしても、ステージ上のメンバー以外のパートの音を鳴らしたいという場合に、ステージ上のメンバー以外のパートの音に関して音源を流すということですね。
その他にも、テンポの乱れがなくより安定した演奏をしたいという場合などに、クリック(メトロノーム)を聴きながら演奏するとう場合もあります。
レコーディングなんかだと、クリックを聴きながら演奏することがほとんどですね。
多少の揺れはあっても大体そのテンポの速さで演奏するという場合は、ライブなどの時に同期の音源もなくクリックを聴いているわけでもなくステージ上のプレイヤーだけのタイム感での演奏となれば、人間が演奏していることですのでリズムの揺れは絶対に生まれます。
そして、ライブともなればその場の空気感や熱量も変わってくるので、盛り上がった部分でテンポが多少上がったりするケースも生まれ、それがライブならではのカッコ良さに繋がる場合もあります。
ですが、どちらのケースもテンポをキープするということは行われているのです。
車の運転に例えると、制限速度60kmの道を時速60kmで常にキープするのと時速60km前後でキープする場合でしたら近いものがありますし、周りの車ともバランス良く安全に道を走ることができます。
しかし、時速60kmで走っていたかと思ったら急に時速20kmで走り出したり、いきなりスピードを上げ出し時速100kmで走り出す車がいたら、周りの車にも迷惑ですしとても危険です。
歩道を歩いている歩行者だって、危なっかしい車が走っているなと思いますし、通り過ぎる際に身の危険を感じるはずです。
これと同じような現象が、テンポがキープできない場合には起きているんです。
一緒に演奏している人や、音源に合わせて叩いているのならばそれらと全然噛み合ってプレイすることはできていないですし、聴いている人も「めちゃくちゃな演奏だな・・・」と呆れてしまったり、下手すぎて耳を塞ぎたくなってしまいます。
そうならないためにもテンポキープは重要であり、リズムを良くするために体内のメトロノームを鍛えることが必要なのです。
そして、その1つの方法が左足でリズムを取ることなんです。
実音としてハイハットを踏むこともそうですし、ハイハットをクローズ状態にしておく場合もかかとでゴーストモーションをすることによって左足でリズムをとることができます。
練習する際にクリックを聴きながら演奏することは重要なんですが、それだけだとクリックを聴くという動作でしか一定のリズムを感じていません。
これが左足でも一定のリズムをキープすることができれば、クリックを聴くという動作と合わさることでより体内のメトロノームの芯が強いものになるんです。
アンサンブルにおいてのガイドになる
前の項目で書いた安定したリズムキープというのは各パートとても大切なことであり、特にドラマーにとってはもの凄く重要な項目になります。
では、なぜ他のパートよりもより重要度が高いかと言いますと、それはドラマーというのはアンサンブルにおいて他のパートの道しるべを示し、司令塔のような役割をするポジションだからです。
練習や実際の演奏においてクリックを聴きながらドラムを叩くというのは、テンポやリズムをキープする上で非常に重要なことです。
そのクリックの役割を実際のバンドなどのアンサンブル上での演奏では、ドラマーが担うのです。
みんなが一斉に入る曲ならなばドラマーが出す始めのカウントに合わせて曲に入りますし、演奏の最中もドラマーの叩くビートやフレーズのテンポ感に合わせて他のパートが演奏しているんです。
ドラムのフレーズが全然ないセクションでも、ガイドとしてハイハットを刻んであげたりというのは、実際のアンサンブルでよく行われます。
しかし、曲中で使われるドラムフレーズというのは、周りのメンバーがわかりやすいビートだけとは限りません。
ビートにしても、少し拍がわかり辛く感じるようなトリッキーなパターンもありますし、フィルを叩くとなれば細かい音符を叩くことも多くなり、ガイドとして捉えやすい一定のリズムでドラムが鳴っていないケースも生じてきます。
こういった時に左足を使って、8分音符や4分音符のガイドを出してあげるんです。
ハイハットを実音として踏んで鳴らす場合、先ほど説明したチック音を出す場合でしたら余韻の短い音で音が鳴ります。
手でハイハットを叩くときの、ハイハットをクローズにして叩く時に近いものがありますね。
ですので、このハイハットを踏んで鳴らすチック音を左足で出すことによって、一緒に演奏している他のメンバーへのガイドをしてあげるのです。
例えばスネアとタムを使ったフレーズを叩いていて両手が塞がっていても、左足でクリックが鳴っているかのようにガイドとなる音を出してあげるということです。
こういった配慮をすることで、複雑なフレーズやトリッキーなフレーズを叩いていても、周りのメンバーに対しては道しるべを示しているので、アンサンブルとしての安定感は損なわれないということになります。
バンドとして、アンサンブルとして、安定した息の合った演奏ができるというわけです。
まとめ
今回は体内の「メトロノームの役割」「アンサンブルにおいてのガイドになる」という2つの要素を中心に書きましたが、どちらもドラマーにとって凄く重要なことだということがわかったはずです。
加えて、バンド演奏などのアンサンブルにおいてのドラマーとしての役割も理解していただけたかと思います。
次回は「表現力の幅が広がる」「各音符の裏のオープンからのクローズが自然にできている」という要素について詳しく解説していきたいと思います。
パート②は下記リンクからご覧ください。
上手いドラマーは皆やってる!?ハイハットを踏むメリットと役割!!︎②
上手いドラマーは皆やってる!?ハイハットを踏むメリットと役割!!③
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